建築家が工事変更で果たす役割

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工事途中の変更は施主の新たなる意欲の表れ
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工覗途中の変更はないにこしたことはありませんが、事実上、変更のない工或はありえません。これまでみてきたとおり、着工まえから完成に至るまでの間に、さまざまなチェックを行います。ですから、考えてみれば、単純なミスを発見するだけでなく、それまで予定になかったものを発想してしまうのは、むしろ当然すぎるぐらい当然のことなのです。じつを言うと、一般的に工事変更は、設計中よりも、工事が開始されて具体的に建物の姿が見えてきたころから多くなってきます。自分たちの家族が住むことになる家が、だんだんとできあがっていくプロセスは、非常に感動的なことです。そのプロセスに立ち会うことで、今まで平面図では読み取ることができなかったことをイメージできるようになるわけです。この傾向は、家づくりに真剣に取り組んでいる人ほど強くなるといえます。ですから私は、工事途中の変更は、施主が優柔不断で決断力がないためではなく、施主の新たなる意欲の表れと理解しているのです。工事変更が生じるさまざまな要因とはさて、一口に工事変更といっても、その場で簡単にできるものもあれば、一つまえの段階まで戻らなければならないものなど、さまざまです。なかには、それまで綿密な打ち合わせをしてきたにもかかわらず、こちらの予想できないような突拍子のないものや、急に家族構成が変化したため、大きな変更を必要とするものも出てきます。これらの工事変更が生じるおもな原因は、つぎの3つに大別できると思われます。1つ目は、図面解釈のくい違いによるもので、2つ目は、コミュニケーションの行き違いによるもの。そして3つ目は、施主の住まいに対する考え方が工事のプロセスを通じて変化発展したことによるものです。しかし、私の事務所の場合は、これらの原因を取り除こうとは思っていません。なぜなら、1つ目も2つ目も、どんなに注意していても生じてしまうものであり、そして3つ目は、すでに述べたように肯定的にとらえているからです。問題は、これらの原因を取り除くことではなく、それぞれ特徴をもった工事変更に、どのように対処していくかにあるのです。工事変更の対処は施主と建築家の二人三脚で
では、具体的な工事変更の例として、精算表を見てみることにします。変更項目や変更後の差額金額を参考にしていただくのは当然のことながら、ここでは、その日付に注目してください。細かく分けるなら、53にものぼる変更項目のうち、1番最初は3月3日で、最後は6月21日。つまり、この間、約四カ月もの月日にわたっていることになるのです。こうした変更工事に対して、ハウスメーカーや工務店は工期の遅れを嫌って、あまり親身に取り合ってくれないことや、たとえ取り合ってくれたとしても高額になってしまうことは、再三指摘してきたとおりです。先ほど私は、工事変更にどう対処していくかが問題だと述べましたが、じつを言うと、その明確な回答はありません。建築家のできることは、いくつも生じる工事変更に対して、一つひとつ対処していくことだけなのです。そして、このとき大切なのは、建築家が、つねに施主と一緒に考え、悩んであげることだと、私は考えます。